今週号のananの特集「女が好きな女」を読みました。
 毎回、こういう特集で、女性が嫌う同性として槍玉にあげられるタイプって決まっています。今回の特集で代表的なタイプのひとつとして、
「美人で、お嬢様で、語学堪能で女子アナウンサーみたいなタイプ」
 理由は
「裏表がありそう」
 
 ごめんなさい…思い切って言います。
 私、どうしてもこの感覚分かりません。
 だって、私の知りうる限り、こういう女性って本当にいい人が多いのですが。別に裏表もないし…。性格も素直で、本当に優しくて親切な場合が多く、信頼でき、しかも明るくて一緒にいて楽しいし。

 逆に「同性から好感が持てる女性」
 どれどれ。
「ぶっちゃけ話もできるような、裏表のない女性」
 
 …私の経験上、こういう雰囲気を漂わせている女性が、実際のところ信頼がもてる存在だったことはあまりありません。何か、何を話しても、上滑りしてしまうような、妙な感覚が残ってしまう。何か、男性社会の論理に一番近い意見を滔々とまくしたてられてしまうような気がするのです。見た目フレンドリーで個性的なのに、中身はありきたりな感じとでもいいましょうか…。
 女同士なのに、相手の女性に唐突に「○○ちゃん、胸大きいね」と言ってしまうような、そんな感覚が苦手なのです。

 この雑誌は、本当に、読者の本音をすくい上げているのでしょうか?
 それとも私の感覚が異常なのか?
 とにかく、読めば読むほど、私の感覚と大幅にずれている。


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 私としては、ここに載っている、「男に好かれる女性」の方が、どう考えても付き合いやすそうに思えます。「上品で身だしなみが良く社会常識をわきまえている美人」。
 うーん、いいじゃないですか!
 ひとりの社会人として、安心して友人として信頼関係を結べそうな気がします。
 正直、これのどこがいけないのか、さっぱり分かりません(笑)。
 それに、見た目はこういう雰囲気なのに、中身はかなり個性的で自分の世界をもっている女性を何人か知っています。

 何だか、雑誌全体に、「こういう人が嫌われるに違いない」という一方的な思い込みを感じてしまうのが私だけでしょうか。
 それに、根本的な疑問として、女性というのは、そんなに真剣に、周りの同性にいちいち好悪の感覚をいだくものなのでしょうか?この雑誌では、そうであるというアンケート結果を載せていますが、その母集団は一体どうやって選んだのでしょうか?

 話は突然変わりますが、こういういわゆる「優等生タイプの人」に悪い感情をもつのは嫉妬が原因です。
 では何故嫉妬するのか?
 当たり前ですが、認めたくないでしょうが、自分もそうなりたいからです。
 絶対になりたくないタイプの人には嫉妬はしない。

 それでは逆に、同じ有名人でも女子オリンピック選手に対する感情はどうでしょう。
 
 谷亮子選手を見て「あんなに柔道が得意でくやしい」とか、野口みづき選手に対して「あの人は、何故あんなにマラソンを速く走れるの?」と、その能力に本気で嫉妬する人はあまりいないと思います。万が一、いたとしたら、同じスポーツをやっている選手で、しかも彼女たちに相当近いところにいて、オリンピックの代表権を争った人くらいのものでしょう。
 
 そう、普通の女性がオリンピック選手の女性がいくら優れた身体能力をもっていても、嫉妬しないのは、それが、自分には関係ないから
 それに、「優れた身体能力という点に関して、特に大きな価値を見出していないから」。

 要するに、これらのスポーツ選手は、自分の土俵の外にいる無関係な人達だから嫉妬しないのです。
 でも、美人の女子アナウンサ―には、出来れば自分がなってみたいし、なることが出来そうな気がするから、嫌ってしまう。

 私ですか?
 私にとって、女子アナ・タイプの職業は、オリンピック選手と同じくらい自分のテリトリー外なので何とも思いません。うーん、私とananの大きな感覚のずれは、何を土俵の外かと感じることの違いによる感覚のずれなのか?

どうもそれだけではなさそうです。

 もうひとつ重大な点があります。
 世の中には、比較的感情が安定していて、周囲の人にあまり激しい好悪の念を抱かない、マイペースで過ごせる人というのがいます(タイプB性格 注:血液型のことではない)。それとは逆に、闘争心にあふれ、他人との優劣を非常に気にするタイプ(タイプA性格)。何でも人に物事をゆずってしまう控えめな人(タイプC性格)があります。
 
 テレビを見ているのに、いちいち女子アナの一挙一動が気になって仕方がない人は、間違いなくタイプAです。こういう人は自分の周囲の人にも、一々「この人よりは自分が上。この人よりは自分が下」と順位付けをしないと気がすまないものです。
 つまり、たとえ自分の土俵の外の人だろうが何だろうが自分より素敵な人のことは気になって仕方がないという性格です。どんな人のことでも、「関係ないじゃん」とは思えない。
 負けず嫌いな反面、コンプレックスの塊になってしまうのもこのタイプです。自己顕示欲上昇志向も人一倍。周囲の人も皆自分と同じだと思い込んでいるため、他人の目をあまり意識せずに、自分のペースで行動する人の存在は想像外です。従って、タイプAの人にとっては謙虚な人は目立ちたいためにあえて作戦として謙虚にしているとしかどうしても思えないのです。
 
 逆に、タイプBの人間から見ると、人は人。自分は自分であるので、ananのこういう特集で、周囲の人をとやかく言う感覚自体が解せないとういうことになってしまうかもしれません。こういうタイプの人は、自分の長所と欠点を冷静に見極め、人生とは自分との戦いであるということを認識しています。本音の人生観としてスローライフを好むのもタイプBの人達です。過剰に謙虚ではありませんが、必要以上に目立つことも好みません。変に目立って、自分のペースを乱されるのが嫌なのです。他人の評価より自分の満足度を重視します。
 タイプBの人にとっては、コンプレックスとそれの裏返しの自意識過剰などの複雑な感情は、頭では理解できても、実感として体験したことはありません。従って、タイプAの人にとっては、そういう物事に動じないタイプBが羨ましい反面、少々無神経で冷たくマイペース過ぎるように思えるかもしれません。
 自分のペースで淡々と物事を進めようとするタイプBにとっても、いちいちからんでくるタイプAは目の前に小バエが飛んでいるようにうっとうしい存在です。
 
 タイプCの人はといえば、自分の方が素晴らしいのに、誰のことでも本気で「あなたは素晴らしい」と思ってしまうような感じでしょうか…。自分が今、こうしていられるのは周囲の人のおかげと本気で考えている謙虚な人達です。しかし、利他的なあまり、周囲の人に振り回されて疲れきってしまう。
 タイプAの人にとっては、リターンがないのに人に尽くすタイプCのことを「偽善者に違いない」と疑い、腹立たしくさえ思っています。タイプAの人が誰かに何かをやってあげる時は、必ず見返りを期待しているので、他人もそうだと思い込んでいるためです。タイプBの人にとっては、タイプCの行いが、そこまで自己犠牲を伴っているとは想像外です。タイプBの人は、見返りは特に期待せずに、自分が出来る範囲での自然な親切は行ないますが、自分が苦痛になるほどの奉仕はやりません。
 従って、タイプCの苦しみは、他の人達には全く理解されず、やればやるほど周りからの要求は大きくなるばかりです。自分ってナメられやすいのでは?と悩んでいるタイプCの人も多いことでしょう。
 
 これらの気質の違いは、闘争心にあふれるタイプAが心血管系疾患、脳卒中と関係があり、他人に譲りすぎるタイプCはいわゆる「がん性格」と言われるなど病気とも深い関わりがあります。
 理想的には、中庸といわれるタイプBに近づけると良いとも言われています。 
 しかし、タイプAの人の多くはその負けず嫌いさを生かして、勉強や仕事を頑張ったり、教育熱心な母になり子供を名門校に入学させたりといった社会的成功の原動力としています。タイプCなら、その無私の精神を生かして福祉、医療関係、教育関係などで人に奉仕することを生きがいとするはずです。タイプBは、研究職、管理職向けかもしれませんが、闘争心がないため、場合によっては小さくまとまってしまう可能性も捨て切れません。
 人間の長所と欠点は表裏一体ですので、自分の気質を嘆いても仕方がありません。
 
 しかし、あまりにも自分の気質のせいで、自分の首を真綿で締めるような事態になったら、少し修正することを考えたほうがハッピーなのかもしれません。
 タイプAの人で、嫉妬でがんじがらめになって、自分が本来やるべきことに集中できなくなったり、いつも周囲に腹が立って不機嫌になり、その感情の不安定性ゆえに自分自身が他人のストレス源になってしまっているようだったら、意識して他人のことを気にしないようにもっていく。
 タイプCの人が他人に尽くすあまり、自分の全生活を犠牲にしたり、果ては自尊心までを投げ打げうちそうになったら、もう少し、自分を大切にすることを学ぶようにする。

 ひとりひとりの気質は、勿論もっと複雑な様相を呈しています。
 自分の世界観が全てだと思わない気持ちは、どんな人にも大切なのかもしれません。

 勿論、今回は女性の例を主にあげましたが、男性においてもこうした気質の問題は同じく存在します。嫉妬深さは男女差より、個人の気質差の方がむしろ大きいと思われます。それにも関わらず、一般に男性は自分自身の嫉妬を、顕在意識としては決して認めたがりません。それは男性のプライドの高さ、良く言えば慎みの深さにも関係があります。男性はそういう自分の感情が女性以上に、本気で許せない。同時に、男性社会の競争の深刻な厳しさがそうさせるとも言えます。敵味方をはっきりさせたら、情報合戦に負けてしまう。昨日の味方は今日の敵というのは、戦国時代のセオリーです。
 その結果、男性向けの雑誌にはあまりこういう特集は存在しないのです。 「女は嫉妬深いから困るんだ。」と得意げに鼻をふくらませている男性の皆様。闘争心は実際のところ男性の方が多く持ち合わせており、従って男性の方が実のところ嫉妬深い人の比率は高め。男性が女性同士のバトルを見聞すると、ことのほか屈折した喜びを示すのは、女性社会にも自分たちの世界と良く似た暗部を見出すことが出来て安堵するためです。
 男性社会の嫉妬の恐ろしさと、それによって感じているご自身のストレスに対して、正直に胸をあてて考えてみませんか?


 まとめ
タイプA性格:隣の芝生は青く見える人

タイプB性格:隣の芝生が何色か知らない人

タイプC性格:隣の芝生が青くて綺麗なことに感謝して
隣の人にわざわざ目を楽しませてくれたことに対する
お礼を持っていく人


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