遺伝子が病気をつくる
 
 乳癌・アルツハイマー病・糖尿病、BSEなどの名前が良く知られた病気は勿論のこと、神経変性疾患におけるトリプレットリピート病(遺伝子の蛋白に翻訳される領域に余分な三つ組みの遺伝子の繰り返しが正常より過剰な数反復されておこる病気)、性格に関わる新奇性探求(Novelty Seeking)とドーパミン受容体遺伝子の関係、タバコとニコチン性アセチルコリンレセプター遺伝子と知能の関係など、今までに解明された「病気と遺伝子の関係」の基本事項を簡潔にまとめた総説的な本。
 とても分かりやすい上、それぞれの疾患と遺伝子の関係の解釈のしかたをきちんと説明し、誤解が生じないように工夫されている。たとえ遺伝子異常による疾患でも、遺伝子治療以外の治療法が有効な例なども具体例をあげて説明している。
 こうしたことが初学の方で、概略を短時間で頭に入れた人には、簡潔さの点で類書の中ではナンバー1のお勧めである。
 ただし、出版が1996年であるのでこの後に更に最新の知見が加わっていることを追記させていただく。


遺伝子が明かす脳と心のからくり―東京大学超人気講義録の著者の1996年の著書。残念ながら絶版ですが、図書館等にはおいてあることが多いです。


最新人気blogランキング!


元祖ブログランキング ほかのブログも見てみたい!