「型にはまった音楽」であったタンゴを、自由な世界に解き放ったアストル・ピアソラ。
 
 アストル・ピアソラの名曲の数々を、現代最高のチェリスト、ヨーヨー・マが演奏したアルバム、
ヨーヨー・マ/ヨーヨー・マ・プレイズ・ピアソラ
ヨーヨー・マ/ヨーヨー・マ・プレイズ・ピアソラ
 ヨーヨー・マが、ブエノスアイレスの退廃の美学を見事に演じきっている。
 聴いているうちに、ふと気付くと、意識の真空地帯に誘われてしまう仕上がりである。
 であるので、「しっかりと現実の世界で実務をこなしたい気分」の時には、恐らく向かない。

 このアルバムの中で最も有名な曲は映画やCMにも多く使われている「リベルタンゴ」であるが、私が一番好きな曲は「現実との三分間」である。

 「現実との三分間」
 まず、タイトルだけで十分に魅力的だ。
 しかし、タイトルと曲の雰囲気には、完全な逆転がある。
 どちらかというと、「現実から離脱する三分間」といった曲である。

 ところで、このアルバムを聴いた後であると、読書も気分転換的なものが読みたくなる。
 何が気分転換になるかは人それぞれであろうが、そうした際に、お勧めの一冊は何かを私なりに考えてみた。


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5万年前に人類に何が起きたか?―意識のビッグバン
 
 この本のどこが気分転換的なのだ?と思った方はごめんなさい。 
 ハードカバーの本だが、新書のようにさらりと読める本である。
 書いてある内容自体は、

 
人と話すサル「カンジ」

 *人と話すボノボのカンジの話
 *ネアンデルタール人と現世の人類は何故交替したか?
 *ネアンデルタール人と現世の人類の祖先(クロマニヨン人)は通婚したかという話題(ミトコンドリアDNAの不一致から否定されている)
 *ミトコンドリアDNAによるアフリカン・イブの発見
 *Y遺伝子を用いた「アダム」の発見を始めとして、他の書籍にも多く取り上げられている内容が多い。
 しかし、この本の良いところは、総論的に簡潔に流れをつかめる点であろう。まさに、新書のような構成である。

  
 書き込みが浅いので、こうした本を何冊もお読みの方は、恐らく物足りないと思う。
 しかし、すんなり読めるサイエンスノンフィクションをお探しの方で、このジャンルの他の本を手に取る前に読んでおくには、結構良い本なのではないかと思う。

 結局は、人間を人間たらしめている根幹はつまり宗教(死者を弔う)と言語の二つであるのか?
 
 
ネアンデルタール人とは誰か
 
 本書も、他の多くの書籍同様ネアンデルタール人と現世の人類の最大の違いをその部分においているようだ。
 
 淡々とした記述の中に、確固とした宗教を基盤とする西洋社会の中で生きる著者の価値観が、おぼろげに浮かびあがってくる。
 ある意味では、宗教と言語は、西洋人の武器であろう。
 彼らにとっては、やはりそこに行き着くのか…とは思う。
 
 「意識のビックバンが何であるのか?」という問いに対する答えは、永久に迷宮の中であるという思いが読後に残る本ではある。


一日江戸人
 本当の意味で、「スローライフ」を感じてみたい時はこちらを
 日本人は、やはり「日常性」をベースにした国民であるのか?
 一般的な意味での、日本人の精神の核となるものは一体、何であろう?
 私には良く分からない。


今まではこうしたジャンルには興味がなかったけれど、たまには「悠久の人類の歴史を、政治・経済といった側面から眺めてみたい」と考えた方はお手に取ってみてください。
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