ハリー・ポッター裏話
ハリー・ポッターの作者J・K・ローリング―現実と虚構の世界の壁をすり抜けた女性は、一体いかなる人物なのだろうか?

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P70に『ハリー・ポッターと賢者の石』からの抜粋がある。

  ―ブリベット通り四番地の住人ダーズリー夫妻は、「おかげさまで、私どもはどこからみてもまとまな人間です」と言うのが自慢だった。不思議とか神秘とかそんな非常識はまるっきり認めない人種で、まか不思議な出来事が彼らの周辺で起こるなんて、とうてい考えられなかった。―

 嫌な人間だな、と誰もが思う表現である。しかし、あなた自身は実際のところ、どうであろうか?是非自分自身にそう問うてみて欲しい。
 私はといえば、実際の生活では常識人の方ではあるが、不思議とか神秘や非常識にシンパシーを感じ、感性の柔軟性だってあると信じ込んでいる。しかし、現実には、自分自身は「不思議や神秘や非常識」の世界に絶対に足を踏み入れることが出来ないのタイプの人間だ。
 
 だから本を読んだり映画を見たりして、一時的に虚構の世界に身をおくことを好むのかもしれないとも思う。そういった世界の中では自分は自由だ。思うに、結局のところ、読んでいる本の世界や、自身の頭の中はどんなに荒唐無稽だが、行動は常識的である、というのが私の理想の生き方なのだ。

 考えてみれば、最もずるい生き方を目指しているわけだ。
 「不思議や神秘や非常識」の世界に、危険を冒して足を踏み入れている芸術家たちの作品を楽しみ、自分はダーズリー夫妻と同じ場所=どこからみてもまともな人間と誰にでもお墨付きをもらえるような場所にいるというわけなのだ。
 
 言うまでもなく、私のような人間が、実は世の中の大半を占めるのではないだろうか?つまり、自分は安全な場所にいて、面白い世界を、非日常の範囲で楽しもうとする人物だ。このような世の中の平凡な多数派は、決して自分たちの世界に、危険で非常識的な人間を立ちいれさせようとはしない。恐らく、私達の多くは、ダーズリー夫妻同様、ハリーのような人物が自分たちの領域に入っていることを好まない。そのくせ(それだからこそ?)私たちは自身のカリカチュアであるダーズリー夫妻のような人物に強い憤りを感じるのかもしれない。
 
 郊外のちゃんとした、でも立派過ぎない家に住み、まじめに働き、非常識を憎む中産階級の人物・・・・。まさしく私達の姿そのものである。
 
 私達のような人間たちのために、世の中の芸術家(俳優、女優、画家、音楽家、作家など)が存在する。私たちはそれらの人たちが作り上げてくれた書物や映画などの虚構の世界の中でだけ、足かせをはずし、自由な世界に飛び立つ。そして私達は、実体のない「思考」の中では、私たちは常識的であることを憎み、荒唐無稽を愛するのだ。私達の多くは、自分は「がちがちの石頭」ではないと信じきっている。実のところは、狭いわくの中でしか生きられないのにも関わらず、だ。
 
 「金持ち父さん」シリーズの作者、ロバート・キヨサキは「金持ちになるには言葉と思考、行動が完全に一致していなければならない」という意味のことを繰り返し言っているが、上記の如く私たちは思考と行動が全く一致していない。非常識の世界を愛しているのに、常識の世界で生きているのだ。だからこそ、私たちは卓越したファンタジーを愛する。

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